徒然なるままに欧州特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州における特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

カテゴリ: 調査

EPC加盟国の維持年金の追納期間と権利の回復期間をまとめてみました。
Renewal
参考資料:


フランスでは出願日の各年の応当日が属する月の末日(満了日)までに維持年金を支払わなければなりません。 また満了日1年前から維持年金を納付することが可能です(フランス知的財産法L612条19、フランス知的財産規則R613条46)。

また満了日から6ヶ月 以内であれば、50%の遅延手数料を支払うことを条件として、維持年金を追納する ことができます(フランス知的財産規則R613条47)。当該追納期間に維持年金を納付しなかった場合は、特許権は消滅します。しかし消滅から1年以内であれば追納によって特許権が回復することがあります (フランス知的財産法L612条16)。






ドイツ特許庁のRegisterでもOAや提出書面をオンラインで閲覧することができます(過去の記事「ドイツのオンライン包袋閲覧の手順」参照)。このドイツ特許庁のRegisterにおけるオンライン包袋閲覧でも欧州特許庁のそれと同様にOAや提出書面が閲覧可能となるまでにはタイムラグが存在することは周知の事実だったのですが(過去の記事「EPOのRegisterはいつアップデートされる?」参照)、実際にどれだけのタイムラグがあるかについての情報は公開されていませんでした。

そこでドイツ特許庁にこのタイムラグは実際にどれぐらいなのかを問い合わせてみました。

ドイツ特許庁の回答によるとOAや提出書面がRegisterのオンライン包袋閲覧で閲覧可能になるにはOAの発行または書面の提出から1~3週間かかるとのことです。

したがって例えばドイツ特許出願をRegisterのオンライン包袋閲覧を利用してウォッチングする場合は、このタイムラグを考慮しておくべきです。





例えばドイツ特許出願の出願公開番号DE102004037108は以下のような意味を有します。
DE_Number
上記例では最初の2桁の権利の種類のコード「10」はドイツ特許庁に直接なされた特許出願を意味するものでしたが、コードに応じて以下の様な意味を有します。

権利の種類のコード:
10: 特許出願
11: PCT経由の特許出願
12: 補充的保護証明書(SPC)
20: 実用新案出願
21: PCT経由の実用新案出願
50: 欧州特許のドイツ部分(手続き言語=ドイツ語)
60: 欧州特許のドイツ部分(手続き言語=英語またはフランス語)

またドイツでは出願公開番号がそのまま特許登録番号としても用いられます。

参考資料:


競合他社の欧州特許がどれだけドイツで有効化(Validation)されたかは非常に興味深い情報です。しかし欧州特許がドイツで有効化されても別途ドイツで出願公開がなされるわけではないので、例えば公開広報のデータベースであるEspacenetからは当該情報にアクセスできません。一方でドイツ特許庁のデータベースであるRegisterを用いれば当該情報を調べることが可能です。

以下、1例としてRegisterを用いてSamsungのドイツで有効化された欧州特許のリスト、すなわち欧州特許のドイツ部分のリストを入手する方法について説明します。


ステップ1:

まずドイツ特許庁のRegisterのBiginner's Searchにアクセスします。
Bild1
ステップ2:
そして「File number」の欄に「602016?」およびApplicantの欄に「Samsung」と入力します。「File number」の欄に入力した「602016?」の最初の「60」は手続き言語委が英語の欧州特許のドイツ部分のコードです。また「2016」は欧州特許出願の出願の年を意味します。そして「?」はその後に任意の数字が続いていてもよいこと意味するコマンドです。このため出願年が2015年の欧州特許出願について調べたいときは「602015?」と入力すればよいです。最後に「Search start」ボタンをクリックします。
Bild3
ステップ3:
そうすると次のような欧州特許のドイツ部分のリストを入手することができます。
Bild4









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