徒然なるままに欧州特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州における特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

2018年01月

この度、弁理士春秋会主催の研修で私長谷川が講師を務めさせて頂くことになりました。 研修の概要は以下の通りです。

 テーマ: 「今さら聞けない欧州特許実務~欧州向けクレームドラフトを学ぶ」
  日時: 平成30年2月22日(木曜日)18:30~20:30
  会場: (東京)日本弁理士会 B1-AB会議室(地下)
      (名古屋)日本弁理士会 東海支部会議室

詳細は以下のURLをご参照下さい。
http://www.shunju.gr.jp/information/info01/2018/01/post_114.html

欧州特許庁における権利化業務にご興味のある方は是非ともご参加下さい。受講者の皆様にとって有意義な情報および時間を提供できるよう努めますのでよろしくお願い致します。


2月の私長谷川の日本での出没予報です。

2月
 16日(金) 大阪 弊所セミナー講師
 17日(土) 岡山 弁理士会中国支部 研修講師

 19日(月) 大阪 顧客訪問
 20日(火) 大阪 顧客訪問
 21日(水) 東京 顧客訪問
 22日(木) 東京 顧客訪問; 春秋会 研修講師
 23日(金) 東京 顧客訪問; 弊所セミナー講師

 26日(月) 東京 顧客訪問
 27日(火) 大阪 顧客訪問

打ち合わせの日程等にご参照下さい。

2018年の新しい試みとして本ブログの読者の皆様から記事のリクエストを受け付けたいと思います。

まずは試験的に当ブログのFacebookページのフォロワーの皆様のみを対象として記事のリクエストを受け付けたいと思います。評判がよければ対象枠を広げていければと考えています。

記事にして欲しいテーマがある方は当ブログのFacebookページをフォローして頂き、Facebookページのタイムラインに「記事リクエスト」とご明記の上、記事にして欲しいテーマについてご記載下さい。

一方でリクエストされたテーマが当ブログには適していないと私が判断した場合は、リクエストをお断りさせて頂くこともありますので予めご了承下さい。

当ブログのFacebookページをフォローして記事リクエストをしてみたいという方はここから




特許訴訟大国のドイツにおいてある企業がどれだけの侵害訴訟を提起したかは、その企業が好戦的な企業か否かを知る上で第三者にとっても非常に興味深い情報です。しかしドイツの裁判所によって公開されているデータベースから特許権者である企業の名前で侵害訴訟の情報にアクセスすることは私が知る限りではできません。

一方、ドイツでも侵害訴訟の対抗処置として多くの場合無効訴訟が提起されます。このため、ある企業のドイツ特許に対してどれぐらいの無効訴訟が提起されたかを調べることで、当該企業がドイツでどれだけの侵害訴訟を提起したかを推し量ることができます。

以下にSamsungを特許権者の例として無効訴訟が提起された特許のリストを入手する方法について説明します。

ステップ1:
まずドイツ特許庁のDPMA RegisterのExpert searchにアクセスします。
Nullity_List1
ステップ2:
「Input field」の欄に「{VART = nichtigkeitsverfahren} UND INH=Samsung」と入力します。「{VART = nichtigkeitsverfahren} 」とは無効訴訟が提起された特許に限定するコマンドであり、「INH=Samsung」とは特許権者をSamsungに特定するコマンドです。
Nullity_List2
ステップ3:
スクロールしてSearchのボタンを押します。
Nullity_List3
ステップ4:

そうしますと以下のような無効訴訟が提起されたSamsungの特許のリストが得られます。
Nullity_List4

競合他社やライセンサーのプレスリリース等からあるドイツ特許についてドイツで特許侵害訴訟が係属中であることを知ることができる場合があります。この場合は当然、係属中の特許侵害訴訟のファイルの内容が気になります。

しかしながらドイツの裁判所が提供する公のデータベースから得られるのは判決のみで、未だに判決が出ていない係属中のケースに関する情報は私が知る限りでは得られません。またドイツの裁判所直接にファイル閲覧の申請をするにしても、訴訟番号や訴訟が提起された地方裁判所の場所に関する情報が必要となります。したがって、例えばプレスリリース等から得られた特許番号または原告名・被告名のみではケースを特定することが困難です。

しかしながら、特許番号または原告名・被告名のみで係属中のケースを調べる術が全く無いかと聞かれると実はそうではありません。

特許番号または原告名・被告名のみで係属中のケースを調べる方法、それは、、、

ドイツの全地方裁判所に片っ端から問い合わせをする

です。

古典的ですが、この方法であれば特許番号または原告名・被告名のみで係属中のケースを特定し、訴訟番号を得ることが出来ます。さらに法的関心または当事者の同意があればファイルを取り寄せることも可能です

ドイツの全地方裁判所に片っ端から問い合わせをするとは書きましたが、実際はデュッセルドルフ、マンハイム、ミュンヘンおよびハンブルグの地方裁判所に問い合わせれば、ほとんどの場合ケースを特定することができます。

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