徒然なるままに欧州・ドイツ特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州・ドイツ特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

2016年12月

日本とは桁が違います。。。

candidate

ソース:
ドイツ連邦特許裁判所2015年次アニュアルレポート

1.米国特許修行日記
米国のヒューストンで代理人事務所を経営する中西康一郎先生のブログです。米国での特許実務について実務家の立場から詳細かつ分かりやすく説明されています。中西先生のブログに触発されて私がブログを始めるに至りました。日本で定期的にセミナーを企画するアイディアも中西先生からの受け売りです。

2.外国特許のSK
渋谷を拠点を構えるSK特許業務法人のパートナーである伊藤寛之先生のブログです。私のブログの基本方針である「ユーザに有用な実務情報を簡潔に分かりやすく」は伊藤先生のブログを参考にしています。また基本的にネガティブなことを書かないというスタイルも参考にしています。

3.SKIP IP LAW FIRM
上述したSK特許業務法人の創業者である奥野先生によって運営されている事務所のHPです。特許事務所のHPとしてはかなり異端ですが、惹きつけられます。特に「ブラックジャックによろしく」の2次利用作品である「ブラック事務所によろしく」は読みごたえがあります。記事に自らの好みおよび情熱を反映させるスタイルは奥野先生の記事を参考にしています。

奥野先生の「ブラック事務所によろしく」に触発されて「範馬勇次郎と学ぶ欧州特許庁における口頭審理」なる記事を書いてみたのですが、著作権法および弁理士法に抵触することをビビッて公開に至っていません。

4.情報検索、プロの視点。
特許調査会社「スマートワークス株式会社」の代表者である酒井美里先生のブログです。欧州特許庁のデータベースの検索方法などで参考にさせて頂いています。私が日本出張前に掲載する「出没予想」は酒井先生のブログを参考にしました。またメルマガ、Facebook、Twitterなどの他のSNSとの連携についても参考にしています。

5.某巨大掲示板
内容はともかく、某掲示板内で使われる表現方法は侮れません。特に時系列を分かりやすく説明する手法や、フォーマルで難解な表現を用いた文章を砕けた口語に要約する手法などを参考にしています。

2017年2月3日更新続報を掲載しました

欧州では、優先出願に記載された特徴をより一般化または他の選択肢の追加等により拡張した特徴を含む欧州特許出願を分割した際に、分割出願と原出願との間で自己衝突が生じる「Poisonous Divisional(毒になる分割出願)」という現象がありました。

poisonous divisional

例えば上の図のように基礎出願で厚さ2~5mmの樹脂膜を有する金属板をクレームし、EP出願で数値範囲を拡大して1~6mmの樹脂膜を有する金属板をクレームする一方で、実施例の記載を基礎出願のままとした場合に分割したと考えます。

このような場合、これまで欧州では親出願のクレームには一切優先権が認められず、一方で子出願の実施例の記載には優先権が認められました。このため、子出願の実施例の記載によって親出願のクレームがEPC54条(3)の規定により新規性が否定されるという現象が発生しました。

しかし、これでは出願人にあまりにも酷ということでこの「Poisonous Divisional(毒になる分割出願)」の問題は2015年に欧州特許庁の拡大審判部に付託(G1/15)されました。より本質的には上記のような例の場合に、2~5mmの数値範囲でEPの親出願で部分優先が認められるか否かが拡大審判部により検討されていました。

そしてこの度、拡大審判部が部分優先を認めるとの判断を下しました。

まだ判決の理由が公開されていないため、あまり確実なことは言えないのですが、この判断は「限定数の明確に定義され選択的主題(limited number of clearly defined alternative subject matters)」にしか部分優先をみとめなかった過去の拡大審判部の判決(G2/98)に反します。

そして拡大審判部が部分優先を認めるとの判断したことにより毒になる分割出願の問題も今後発生しなくなるはずです。

いずれにせよ出願人にとっては好ましい判断であったと思います。判決の理由が公開された後にまた続報を載せたいと思います。


多くのEPC加盟国では早くとも期日の1年前にしか次年分の維持年金を支払うことができません。しかし以下のEPC加盟国では維持年金の支払い開始時期に時期的要件がありません。したがって例えば5~10年分の維持年金を一括で納付できると思われます。

 ・ギリシャ
 ・イタリア
 ・ラトビア
 ・オランダ
 ・ルーマニア
 ・トルコ
 ・アルバニア
 ・クロアチア
 ・ルーマニア

参考資料:
http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/html/natlaw/en/vi/index.htm

次回の大阪での弊所セミナーのトピックおよび日程が決定致しましたのでご案内申し上げます。

● トピック: 「90分で学ぶ欧州向けクレームドラフト術」
 欧州特許庁におけるクレームの記載要件が日本や米国のそれとは異なることはなんとなく分かっているが、実際にはどのようにクレームをドラフトしたらよいのか分からず、米国用クレームをそのまま欧州にも流用しているという方は多いのではないでしょうか?
 本セミナーでは欧州特許庁における条文、審査基準および判例を参照しながら欧州ではどのようにクレームをドラフトすれば出願を効率よく権利化へと導くことができるかについて説明します。また欧州におけるクレームの記載要件不備を原因とするOAを防ぐために、明細書にどのような事項を盛り込むべきかについても併せて説明したいと思います。

● 日程: 2017年1月19日(木曜日) 

● 時間: 18:30~20:00

● 会場: TKPガーデンシティ東梅田のミーティングルーム6C
                 〒530-0057大阪府大阪市北区曾根崎2丁目11-16
                 http://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gc-higashi-umeda/access/

● 会費: 無料

● 講師: Winter Brandl特許法律事務所 長谷川寛

● 定員: セミナー:先着20名 残席:5

● 参加方法: 本セミナーへの参加をご希望される方は、KHasegawa@wbetal.deまで、以下の項目をご明記の上ご連絡下さい。

 【ご氏名:        】
 【メールアドレス:    】
 【ご所属先:       】
 
ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

Facebookページに「いいね!」を押して下さった方には、弊所主催のセミナー情報を優先的にご案内しています。



 

↑このページのトップヘ