徒然なるままに欧州・ドイツ特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州・ドイツ特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

2016年07月

日本人にとってドイツの企業または組織にアポを取るのはハードルの高い作業です。ドイツの企業宛てにアポ打診をしてみたものの、返信すら得られないということは多々あります。このようにドイツでなかなか思うようにアポが取れないのは、実はアポ打診以前の段階で重要な事項を見過ごしていることが原因である場合があります。以下に私個人の経験からドイツにおいてアポ取得確率を上げるためにアポ打診をする前の段階で日本側で留意すべき5つのポイントについて説明したいと思います。


1.日本での知名度は通用しないと心得る
まずは日本では企業名を述べればすんなりアポが取れるほどの知名度のある組織であってもドイツではその知名度は役に立たないと心得るべきです。ドイツ人にとっては当該組織の存在すら知らない場合が多々ありますし、また仮に当該組織を知ってたとしてもコンタクトを取ってきた人物が本当に当該組織に所属をしているかを確かめる術が限定されているからです。

このためアポ打診のレターがまずは迷惑レター扱いされるリスクを覚悟すべきです。

当該リスクを下げるため、アポ打診のためにはメールではなく担当者の署名を含む見栄えおよび体裁の整ったレターを準備することをお勧めします。


2.十分な時間的余裕を持つ
ドイツ人はよほど商売っ気のある人を除いて直前のアポ打診をかなり嫌います。このため出来れば2か月前、遅くとも1ヶ月前にはアポの打診をすることをお勧めします。特にドイツの行政機関でアポを取りたい場合は、3ヶ月以上先の日程を提案される場合がありますので、時間的余裕には特に気を付けるべきです。


3.休暇シーズンは避ける
日本でもお盆シーズン中にアポを打診しても門前払いされるのと同様にドイツでも休暇シーズン中はアポの取得率がガクンと下がります。このため、休暇シーズンを避けて打診することでアポの取得確率を上げることができます。

また、ドイツには夏休みおよび年末年始を含むクリスマス休暇以外にも日本ではあまり馴染みのないイースターや降臨祭といった休暇シーズンもあるので、予めアポの打診日がドイツの休暇シーズンに被らないかを検討しておくことをお勧めします。


4.コネがある場合はコネを活用する
1の「日本での知名度は通用しないと心得る」でも述べましたがドイツ人にとってコンタクトを取ってきた日本の組織が本当に存在するのかを確かめる術が限定されるため、アポを打診を承諾する心理的ハードルが高くなってしまいます。一方で、ドイツ国内でのコネを介してコンタクトを取れば、ドイツ人の心理的ハードルを下げることができ、アポの取得率も高まります。このためアポ打診の前にドイツ国内に使えるコネがないかを検討すべきです。


5.電話で担当者を明確にする
一方コネなしの場合で単にドイツの企業宛てにレターなりを送った場合は、仮にレターの体裁が整っていたとしても、まずは企業内でのたらい回しの刑に処されます。このため担当者に届くまで時間がかかったり、そもそも担当者までたどり着かないということが多々あります。このため正式レターを送る前にまずは電話で「○○といった理由で訪問したいのですが、どなたにコンタクトを取ればよいか」と聞くことが好ましいです。その後担当者に名指しでレターを送ることでアポが取れる可能性が飛躍的に上がりますし、うまくいけばその電話の最中にアポが取れてしまうことがあります。また電話をして直接言葉を交わすことで相手に安心感を与えられるというメリットもあります。


6.まとめ

上記5つの留意点はドイツ企業だけに限らず、日本国外の企業または組織にアポを取る際にも普遍的に当てはまると思います。外国企業のアポを取りたいけど思うように取れないとお悩みの方の参考になればと思います。

今年の3月に受けたA、B、CおよびDの4科目から成る欧州特許弁理士試験の本試験(EQE Main examination)の結果が先週公表されました。


無事に全科目(4科目)合格することができました!


結果には自信が全くなく、来年4科目全てを再受験をする覚悟をしていたため、この結果は素直に嬉しい。


応援して下さった方々、アドバイスを下さった方々、サポートして下さった方々、本当にありがとうございます。


近日中に送付される予定の合格証を受理した後に登録手続を経れば晴れて欧州特許弁理士を名乗ることができます。欧州特許弁理士になれば自らの名前で欧州特許庁において代理できるようになりますので、より幅広く円滑なサービスを提供できるようになると思います。


そして欧州特許弁理士資格の取得により、うまく行けば3年後にドイツ弁理士試験の受験資格を得られることになりました。ドイツ弁理士試験合格を次の目標とし、今後も精進して行きたいと思います。

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