徒然なるままに欧州特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州における特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

2015年02月

ドイツにおける特許権に基づく損害賠償請求権の時効は以下の通りです。


 ・損害賠償請求権が生じ、特許権者が債務者を知りまたは知るべきであったときから3年

 ・損害賠償請求権が生じたときから10年、および

 ・侵害行為から30年、

 のうち早く満了する期間まで


侵害を知ってから3年という点では日本と共通しますが、除斥期間が日本のそれと異なります。


〈参照条文〉

ドイツ民法195条(英訳)

The standard limitation period is three years.


ドイツ民法199条(英訳)

(1) Unless another commencement of limitation of is determined, the standard limitation period commences at the end of the year in which:

1.  the claim arose and

2.  the obligee obtains knowledge of the circumstances giving rise to the claim and of the identity of the obligor, or would have obtained such knowledge if he had not shown gross negligence.


(2) Claims for damages based on injury to life, body, health or liberty, notwithstanding the manner in which they arose and notwithstanding knowledge or a grossly negligent lack of knowledge, are statute-barred thirty years from the date on which the act, breach of duty or other event that caused the damage occurred.


(3) Other claims for damages become statute-barred

1.  notwithstanding knowledge or a grossly negligent lack of knowledge, ten years after they arise and

2.  regardless of how they arose and of knowledge or a grossly negligent lack of knowledge, thirty years from the date on which the act, breach of duty or other event that caused the damage occurred.

The period that ends first is applicable.


(3a) Claims based on the devolution of an inheritance or whose claiming is contingent on knowledge of a disposition mortis causa become statute-barred in 30 years from when the claim comes into being regardless of knowledge or of grossly negligent ignorance.


(4) Notwithstanding knowledge or a grossly negligent lack of knowledge, claims other than those under subsections (2) to (3a) become statute-barred ten years after the date upon which they arise.

ドイツであっても弁理士の主業務は書面作成です。しかし日本人である私にとって外国語である英語またはドイツ語で応答書面やコメントを作成することはやはり容易ではありません。このためドイツ人の同僚達と同じ仕事の進め方をしていたのでは仕事の効率では到底敵いません。そこで私は以下の工夫をすることで、仕事の効率および品質の向上を図っています。

1.表現のデータベース化
過去に同僚や自分が書いた表現をデータベース化し、似たような表現が必要となったときにデータベースを参照することで効率的に文章を作成することが可能になります。これは非常に有効なツールで、極端な話、データベースにある表現を組み合わせるだけでコメントや応答書面を完成させることも場合によっては可能です。これにより文章作成時間の短縮だけでなく、誤字、脱字を減らすことができるといったメリットも得られます。

データベースは定期的にメンテナンスし、使えそうな表現を発見した場合は随時追加していきます。


2.対応外国出願の参照
欧州特許出願およびドイツ特許出願についてOA対応を検討する際には必ず、アメリカ、日本での審査結果を参照することにしています。

これらの外国対応出願でのファイルに目を通すことで出願人の方針を読み取ったり、補正内容を参照することができ効率的に対応案を作成することが可能になります。特に日本の審査結果はドイツ人の同僚達とってはアクセスしにくい情報なので、私独自の付加価値の創造にも寄与していると思います。


3.日本語対応文献を参照

一般的に、単位時間当たりにリーディングによって得られる情報量は日本語の方が英語よりも多いといわれます。特に日本語が母国語の私にとっては日本語のリーディングにおける効率は英語やドイツ語のそれよりも格段に高いのが実情です。そこで英語またはドイツ語の文献の読み込みが必要で対応日本語文献が入手可能な場合は、対応日本語文献を読み込むことで短時間で技術内容を把握することができます。

一方でこの手段をあまり多用しすぎると英語およびドイツ語文献の読解力が落ちてしまうので、対応日本語文献を参照するのは日本語文献が原文である場合のみに限定しています。


4.最終チェックの委託
書面作成には誤字、誤植等のミスは付き物です。このようなミスを防止するために、作成した書面はその日のうちに提出はせずに、一日寝かした後にチェックをしてから提出するようにしています。しかしそれでも母国語でない言語で書面を作成する場合にはチェック漏れのミスが多発してしまいます。このようなミスはチェックの回数を増やすことで減らすことで減らすことができるのですが、これではあまりにも非効率なので、最終的な言語チェックを秘書さんにお願いしています。

秘書さんは私よりも当然英語およびドイツ語スキルが高いので、私がチェックするよりもはるかに高い効率および精度で誤字、誤植等を発見してくれます。

まとめ

以上の私が実行している仕事効率向上のための工夫を説明しましたが、外国で働く日本人にとっての仕事効率向上の王道は、やはり実務および語学にさらに精通することだと思います。今後もさらに実務および語学をブラッシュアップすることで仕事の効率および品質を向上させていきたいです。

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