平成23年の改正によって日本では「新規性喪失の例外」の要件(特許法30条)が、大幅に緩和されましたが、欧州特許条約では以前として「新規性喪失の例外」の規定は極めて限られた場面でしか認められません(EPC55条)。

具体的には欧州特許条約では「意に反する公知(EPC55条(1)(a))」または「特定の国際博覧会で公知(EPC55条(1)(b))」の場合にのみしか適用が認められません。したがって、例えば優先日前に日本で特許を受ける権利を有する者の販売行為によって公知になった発明は、欧州特許条約においては「新規性喪失の例外」の要件を満たすことができず、欧州特許として権利化することはできません。

しかし、この場合であってもドイツの実用新案制度を利用すれば権利化することができます。

ドイツの実用新案制度では、6月のグレースピリオドが認められていますので(ドイツ実用新案法3条(1))、上述のように販売によって公知になった場合であっても優先日から6月以内であれば救済されます。またドイツの実用新案制度では日本よりも保護対象が広く、使い勝手もよいです。

日本で新規性が喪失してしまった場合でも欧州での権利が欲しい場合は、ドイツ実用新案を選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょう。