徒然なるままに欧州特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州における特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

2013年04月

ドイツでは国際連合(UNO)によって認められた言語であればいかなる言語であっても出願することができます(ドイツ特許法35条)。したがって日本語でもドイツ出願することが可能です。


ドイツ出願が急遽決まったけれども翻訳文が優先期間内に間に合いそうにないといった場合には日本語による出願も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。


ドイツ語以外で出願した場合は、出願日から3ヶ月以内にドイツ語による翻訳文を提出しなければなりません(ドイツ特許法35条(1))。当該期間内に翻訳文が提出されなかった場合は、出願はされなかったもとして取り扱われます(ドイツ特許法35条(2))。



以前の記事で、欧州特許条約(EPC)には日本特許法第17条の2第4項(いわゆるシフト補正の禁止)に似た規定(EPC規則137条(5))があることを説明致しました。

一方でドイツ特許法の補正に関する規定(ドイツ特許法38条)は、新規事項の追加については禁止していますが、上述したようなシフト補正を禁止する規定はありません。

 このため、ドイツではシフト補正の制限はなく、新規事項を追加しない限りどのような補正も認められます。

欧州特許庁における審査官は高待遇であることで有名です。噂によるとEP審査官の月収の手取額は16000ユーロ(日本円に換算すると約200万円!)でリタイア後の年金もかなりの額と聞いたことがあります。さらに年間30日の有給が与えられます。また驚くべきことに審査官の子供のみのために欧州 特許庁が運営する無料のインターナショナルスクールも存在します。 欧州特許庁の庁費用が高額なこともうなずけます。


そんな欧州特許庁がこの度、審査官を募集しています


応募資格は以下の通りです。

1.いずれかのEPC加盟国における国籍

2.理系学科(物理、化学、生物学、工学等)の大学卒業資格

3.少なくとも1つの欧州特許庁における公用語(英語、ドイツ語、フランス語)の優れた知識および2つの公用語を理解できる能力


私が知る限りでは、日本人のEP審査官はいまだかつていた事はありません。1および3の条件が日本人にとっては極めて大きな障壁となると思いますが、我こそはと思う方がいらっしゃったら是非チャレンジしてみてはいかがでしょう。

国際公開が欧州特許庁の公用語以外で行われた場合、欧州特許庁は公用語による翻訳文を公開します(EPC153条(4))。

ここで公開される翻訳文とは国際出願時の書面の翻訳文となります(Guide for applicants, Part 2参照)。

19条補正、34条補正の翻訳文や欧州移行時にした補正等は、例え公開前に欧州特許庁に提出したとしても欧州特許庁による出願公開の対象とはなりません。

19条補正、34条補正の翻訳文や欧州移行時にした補正等は、欧州特許庁のホームページのRegisterから確認可能です。

↑このページのトップヘ