徒然なるままに欧州特許実務

ドイツで働く日本人弁理士が、欧州における特許実務に役立ちそうな情報を徒然なるままに書き記していきます。雑文・乱文にご容赦下さい。

2012年11月

通常のEPOの実務では、物の用途に新規性があっても物が公知であれば、物としての新規性は認められません。
しかし、公知の物質又は組成物であっても、それが新規の治療方法又は診断方法(医薬用途)に用いられる場合、当該公知の物質又は組成物の用途を当該医薬用途に限定すれば、新規性が認められます(EPC54条(4)、(5))。

このような医薬用途を有する物質および組成物のクレームの方式は、EPOの審査基準で例示されており、当該方式に従わない場合は、不明確として指摘されることがあります(EPC84条)。

EPOの審査基準で例示されている医薬用途を有する物質および組成物のクレームの方式は、以下の通りです。

  "Substance or composition X for use as a medicament"

  "Substance or composition X for use as an antibacterial agent"

   "Substance or composition X for use for curin disease Y"

なお従来のスイスタイプクレーム(例Use of substance X in the manufacture of a medicament)は、優先日が2011年1月29日以後の出願では認められません(EPO審査基準Part G Chapter VI-4)。

順位 会社名 出願数
1 SIEMENS 2235
2 PHILIPS 1759
3 SAMSUNG 1733
4 BASF 1638
5 LG GROUP 1493
6 QUALCOMM 1482
7 GENERAL ELECTRIC 1325
8 ROBERT BOSCH 1192
9 ERICSSON 1148
10 MITSUBISHI 1082
11 SONY 1052
12 PANASONIC 961
13 BAYER 885
14 RESEARCH IN MOTION 872
15 HITACHI 773
16 ALCATEL LUCENT 744
17 HUAWEI 740
18 EADS 718
19 BSH 667
20 CANON INC. 645
21 SANOFI 638
22 SUMITOMO 633
23 HOFFMANN-LA ROCHE 631
24 JOHNSON & JOHNSON 625
25 3M COMPANY 590
26 TOYOTA 583
27 ABB 560
28 DUPONT 550
29 UNITED TECHNOLOGIES 546
30 FUJITSU 540
31 FUJIFILM 518
32 DOW CHEMICAL 512
33 SHARP 510
34 NEC 509
35 MICROSOFT 501
36 DSM 490
37 INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES 478
38 HONEYWELL 474
39 NOKIA 419
40 THOMSON 418
41 COMMISSARIAT À L'ENERGIE ATOMIQUE 403
42 TOSHIBA 402
43 HONDA 400
43 ZTE CORPORATION 400
45 NXP 393
45 UNILEVER 393
47 NTT CORPORATION 390
48 COVIDIEN 377
49 NOVARTIS 376
50 NESTLE 369
51 PROCTER & GAMBLE 361
52 RICOH 359
53 FRAUNHOFER-GESELLSCHAFT 337
54 ALSTOM 323
55 MERCK KGAA 321
56 SHELL 315
57 BOEHRINGER INGELHEIM PHARMA 308
58 SONY ERICSSON 303
59 TYCO CONNECTIVITY 300
60 HEWLETT-PACKARD 296
60 SAINT-GOBAIN 296
62 APPLE 290
63 CORNING 283
64 CONTINENTAL 277
65 MEDTRONIC 276
66 ABBOTT LABORATORIES 271
67 EXXON MOBIL 267
68 HENKEL 263
69 VALEO 248
70 NOKIA SIEMENS 246
71 ELECTROLUX 245
71 EVONIK 245
73 ROLLS-ROYCE 244
74 MERCK & CO 240
75 THALES 237
76 BOSTON SCIENTIFIC 236
77 RAYTHEON 235
78 SAFRAN 227
79 KRONES 222
80 OLYMPUS 221
81 SOLVAY 217
82 AISIN SEIKI 216
82 NITTO 216
84 BOEING 212
84 BROTHER 212
86 HTC 204
87 SEIKO EPSON 199
88 BRIDGESTONE 197
89 SCHLUMBERGER 194
90 EATON 189
91 NOVOZYMES 188
91 SYNGENTA 188
93 CNRS 186
94 FRANCE TELECOM 183
95 GLAXO 182
95 NIKE 182
97 SCHAEFFLER 180
98 NISSAN 175
99 ARKEMA 170
100 ASAHI GLASS 169

ドイツでは職務意匠についての一切の権利は、特段の契約を交わした場合を除いて、使用者に帰属します(ドイツ意匠法第7条(2))。

また、前回説明した職務発明制度と異なり、職務意匠については、使用者にはなんら義務が発生しません。
すなわち、使用者には職務意匠の創作者に対価を支払う必要はありません。

ドイツの職務意匠制度は、使用者にとってかなり有利と言えます。

ドイツでは従業者がした職務発明(Diensterfindung)は、発明の届出後は通常自動的に使用者に帰属します(従業者発明法第6条)。また職務発明の届出は従業者の義務です(従業者発明法第5条)。このようにドイツでは職務発明制度において従業者の立場が弱いことから、使用者に対して様々な義務を設け、使用者と従業者との間の利害を調整しています。

具体的には、使用者には職務発明の取り扱いにおいて以下の義務が課せられます。

1.職務発明の承認義務
  従業者は職務発明をした場合、使用者に届け出ることを義務付けられていますが、使用者はこれに対し、速やかに承認する義務が課せられています(従業者発明法第5条)。

2.対価の支払い
 使用者は、職務発明をした従業者に適切な額の対価を支払う義務が課せられています(従業者発明法第9条)。

3.出願義務(ドイツ国内) 
 使用者は、職務発明について国内(ドイツ)出願をする義務が課せられています(従業者発明法第13条)。当該義務は、(1)職務発明についての受ける権利を従業者に受け渡した場合、(2)従業者が出願しないことに同意した場合、または(3)職務発明が営業秘密の要件を満たす場合に、免除されます(従業者発明法第13条)。

4.外国出願をしない場合の受ける権利の受け渡し
 外国出願は、使用者の義務ではありませんが、外国出願をしないことを決定した場合、当該外国においての受ける権利を従業者に受け渡すことが義務付けられています(従業者発明法第14条)。

5.報告義務
 使用者は、従業者に職務発明の出願の審査過程について報告し、登録後は登録票のコピーを従業者に渡すことが義務付けられています(従業者発明法第15条)。

6.受ける権利または特許権の放棄の際の権利の受け渡し

 使用者は、従業者に対価を支払う前に、職務発明についての出願または特許権を放棄したい場合は、従業者に報告し、従業者の要求に応じて、権利を受け渡すことが義務付けられています(従業者発明法第16条)。


このように、法律は使用者にとってもかなり面倒な義務を課しています。このため実際は、職務発明の届出後に、従業者使用者間で、例えば3~4の義務についての使用者の義務を免除する契約が結ばれるそうです。


ドイツ特許を攻撃する手段として無効審判(Nichtigkeitsklage)のほかにドイツ特許庁の審査部が担当する異議申立(Einspruch)があります。
異議申立の要件を以下に簡単にまとめます。

時期的要件:
特許登録公報の公開から3ヶ月9か月(2013年改正によって9か月に延長されました)(ドイツ特許法第59条(1))。

主体的要件:
原則何人であっても請求可、ただし、異議理由が特許を受ける権利に関する場合は、当事者のみ(ドイツ特許法第59条(1))

庁費用:
請求時に200ユーロ
異議理由中の口頭審理および証拠保全に費用が発生した場合、異議申立の決定の際に審査部によって特許権者および異議申立人の負担額が決められます(ドイツ特許法第62条(1))。

↑このページのトップヘ